大学入試では多くの場合で滑り止めを確保しておいてから第一志望の受験に臨むというのが一般的ですが、国立大学が第一志望のときに私立の滑り止めを受験しないという選択肢はどういう結果を生むのか。僕の経験を交えて考えていきたいと思います。
僕は私立の一般入試を受けなかった
僕は一浪して神戸大学工学部に合格した現役の神大生です。浪人したときの記録はここに詳しく書いています。
国立一本はありだと書きましたが、実際はセンター利用入試で東京理科大学に合格しています。ただセンター利用の合格発表は、一般入試の出願締め切りより遅いので、滑り止めは未確保の状態で私大の一般入試の出願は見送りました。
では私大を受験しない理由やメリットを書いていきます。
①国立大学の二次試験に集中できる
大学入試は入試問題の研究が命です。本来は合格に及ばないような学力でも、その大学の入試問題に特化できれば合格できます。むしろ研究をしなければ、学力があっても落ちることは十分ありえます。本当に研究は大切なので、過去問はとにかくやりこんでください。
滑り止めといっても、自分の学力からしたらどんな大コケをしても受かるような大学で無い限りは、過去問にはある程度取り組む必要があります。
もちろん研究は1日2日では終わらないです。英語の過去問で文法を重視して深くまで訊いてくる問題ならば、文法問題集に力を入れなければならないし、数学の過去問では積分の計算力が合否を分けることもあるかもしれません。
もちろん少しの対策で滑り止めに受かる学力があれば良いですが、大学入試って想像の10倍は簡単に落ちます。ある程度のレベルの私大にはそこが第一志望の受験生がいることも忘れないでください。
また、第一志望に向けた時間も確保できます。センターから国立大入試までの1ヶ月の貴重な時期に1日でできることはとても大きいです。
②お金の節約
大学入試にかかるお金は試験対策だけでなく、受験料も高額になります。多くの私大の一般入試受験料は35,000円です。
また私大に合格しても、国立大の発表までに入学金を払わなければ合格が取り消しになるため、滑り止めを確保するにはさらに20~30万円が必要です。
とても大きな金額ですが、「お金が高すぎるから滑り止めを受けるのはやめよう」という考えは決してしてはいけません。大学入試はおそらく18年間で最も大きな挑戦の一つになると思います。お金の損得勘定で決めるべきではありません。あくまでも、「私大を受けなかったからお金が浮いたな」程度に考えてください。
ちなみに買い物をするときの格言として、「迷う理由が値段なら買え」というのがあります。
③後期に向けて集中できる
仮に国立前期で不合格になった場合は国立後期での合格を目指しますが、このときに滑り止めがなかった場合、後期試験に向けて一切の邪念が無く勉強することができます。
周りが進学先を決めていき受験を終えるなかで、後期のために最後まで必死になれる人はそうそういません。まして、ある程度の私大に合格できていたならもっと難しくなると思います。
だからこそライバルが大幅に減り、後期には逆転のチャンスがあります。滑り止め校がなかったなら、全力で後期に向けて勉強できると思います。
また、もしも後期でも不合格になってしまった場合は必然的に浪人になります。僕は現役時代に私大もすべて不合格になって選択の余地無く浪人が決まったのですが、だからこその潔さで浪人生活に集中できたと思っています。滑り止めに入学したものの大学のレベルが低く、”浪人すればよかった”と言っている友達はけっこういます。浪人するしかないというのは、案外一番後悔のない状況だったと思います。
④センター利用で私大は確保できる
①で私大の一般入試に時間を取られると書きましたが、センター試験は国立大にむけて力を入れなければならないので、センター利用入試は良い選択肢だと思います。(もうすぐ終わっちゃいますが)
また、センター利用の合否で自己採点の確認(大きなマークミスがないかなど)の確認にもなります。
まとめ
私大の一般を受けない人は多くないですが、根拠があるなら「受けない」という選択肢で国立合格に近づくと思います。
おそらく予備校のチューターなどには反対されると思いますが、「やっぱり出願しませんでした」で大丈夫です笑